アブとの出会いは14年前。
当時は空前のバスブーム。
道楽やザウルス、ズイールなどトップウォーターブランドも大繁盛していた時代。
ルアーマガジンには毎月のようにトップ特集が組まれていた。
そこに必ず出ていたのは、ガングリップロッドにアンバサダー5500C、ノスタルジックなプレミアムトッププラグの組み合わせ。
中学生でありながらそのカッコ良さに惹かれたもの。
今思うとガキのくせにませてましたね。
近所の釣具屋はシマノやダイワなど最新リールやロッドが置かれていて、
アブやガングリップロッドは殆ど置かれておらず寂しい思いをしていました。
いつかはアンバサダーを手に入れるんだと心に決めていました。
そんな中、オーストラリアへホームステイ。
オーストラリアでも釣りに行きたくて行きたくて仕方なかったときに立ち寄った釣具屋。
そこには5000とUC4600Cが置かれていた。
初めて実物のアンバサダーを見た興奮は今でも忘れられない。
5000は鮮やかなレッド、クラッチタイプ。
UC4600Cは気品あるスウェーデン王室御用達を示すエンブレムが入ったシルバーボディにゴールドのロゴシール。サムバータイプ。
この時は非常に悩んだ。
ノスタルジックな5000にするのか、
ULTRACASTと銘打ったちょっと今風な感じのUC4600Cにするのか、どうすんのよ、K.O.!と。
んで、悩んだ挙句、結局UC4600Cにしました。
今考えると5000にしておけばシマノに浮気することはなかったのに、
と思うが当時のK.O.はこの後何が起こるかなんて知る由もなく・・・
渡豪してすぐに購入したので早く帰国したくてしたくてたまらなかった笑。
そして帰国後すぐに友達のケイイチと近くの池へ。
ケイイチも初めて見るアンバサダーに興味津々。
K.O.「カッコいいだろー」
ケイイチ「いいなぁー。スゲー飛びそう」
K.O.「(ドヤ顔で)間違いないだろ。まぁ見てろって」
UC4600C「ウィーン」
ケイイチ「あれ、あんまり飛ばんね」
K.O.「おかしいな。ちょっとブレーキ弱めてみっか」
UC4600C「ウィーーーーーン!」
K.O.「うわっ、バックラした!しかも再起不能じゃねーか泣」
ケイイチ「アブってあんま大したことないね。イヒヒ」
K.O. ・・・(`ヘ´)
ちょっとムッとしながらケイイチが釣りをする後ろの方で絶望的なバックラッシュと格闘するK.O.。
すると突然ラインがとまった・・・。
4000系はスプールの幅が狭いためライントラブルが起きてしまうとそれが致命的なケースだったりします汗
対処法として、”2,3回転巻き取った後にクラッチをOFFにするとラインが出るようになる”
という雑誌記事を思い出し、忠実に2、3回転巻き上げクラッチをOFFにしてみるK.O.。
UC4600C「バキっ!(サムバーのベロが割れる音)」
K.O. Σ(T□T)!!
サムバーは粉々に割れてフレームから完全に取れてしまっていたのです。
初っ端からブッ壊れると思う筈もなく、あまりのショックで言葉が出なかった・・・
神様、あんたは本当に残酷だよ!あんまりだ!くそったれ!
神を冒涜したバチなのか、そこへ突然の激痛!!
うん?なんでオデコの上のほうにダイワのピーナッツが見えるんだ?
目の前には引き攣った顔のケイイチが。
オデコの上をサワサワしてみると、尖った針先が指に触れる。
ピーナッツが俺の頭を思いっきりフッキングしとる!気持ちいいぐらいに貫通しとる!
強張るケイイチ。謝るケイイチ。
もう何がなんだか分からず呆然とするK.O.。
これを泣きっ面に蜂と言わずして何と言うのだろうか・・・
すぐに帰宅、母親に針先をペンチで切断、事無きを得ました・・・
うーん、バーブレスって大事です。
壊れたUC4600Cは海外購入品のため保証外で修理不能。
かろうじて残ったベロをセロテープでとめて使えるようにしたけど、如何せんカッコ悪い。
そしてやっぱり飛ばなかった。
そんなこんなでいつの間にかお蔵入り、程なくして知人に譲ってしまった。
今思えば、K.O.が購入したのはハズレで、コツさえ掴めば実戦で使える代物なのではないかと思っています。
使う人が使えばきっと応えてくれるデリケートな機種なんじゃないかと。
譲らずに何とか直せば良かったな、と今更ながら後悔。
※4000系のクラッチの損傷はフレーム交換で高くつきます。
今でこそネットが普及して部品も手に入れやすくなったけど、当時じゃそんな選択肢は考えられなかったのです。
アブとの思い出は最悪だったがどうしても嫌いにはなれませんでした。
(その後はシマノに浮気しましたが・・・)
だってカッコいいんだもん笑
よもやアンバサダーへの情熱が最近になって再燃するとは思ってもいませんでした。